やってみたいし楽しみたい

いろんなことを体験して、感じる。生きる。

ワカチナ。

ボリビアからまたペルーに入り、プーノ、アレキパナスカ、そしてイカに来た。
ワカチナというオアシス。

もうお金がないからサンドバギーツアーもあきらめて、散歩していた。
砂漠の中の小さいオアシス。
ホテルから少し歩くと、沼みたいなのが見えた。
ああ、ほんとだ。オアシスなんだ。

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周りは砂の山々。
上までどれくらいで登れるんだろう。

そこにいたおばちゃんに聞いてみると、人によるけど30分以上かかるわねって。でもそのサンダルじゃ無理よ。
大丈夫、さっきビーサンに履き替えたから、靴も持ってる。
登るぞ。

半分くらいまでは、休み休みしながら順調。
足を砂に埋もらせながら登り、止まるとまた 上からの砂で埋もれていく。

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上の方に来ると、なかなか上に登っていけない。
砂が上からサラサラサラ。

ここらへんまででいいかなあ…… でもまだ行ける。
っていうのを何回か繰り返して、

突如、砂が途切れた。てっぺんだ! こんなふうにとんがっているのか。
 
 

とんがりをまたいで座った。サラサラの砂が流れる。
砂山の向こう側も砂、砂、砂。
風に砂が混じって、とんがりを越えていく。

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なぜか泣く。

地球って、すごく大きい。


 
遠くの方では サンドバギーのエンジン音と歓声。
 
 
 
 
 
 
そう、私は、誰かに良いところに連れて行ってもらうんじゃなくて、自分で見つけたいんだ。

誰かに喜ばせてもらうんじゃなくて、自分で楽しみたいんだ。

どうなるかわからない方向に歩いてみて、うわーって味わいたいんだ。
 
 
 
 
 
 
 
ああ、日本に帰ろうって思った。
帰国の日は決まっているから帰るんだけど、でも、そう思った。
 
 
この砂山は、風紋と同じようにできてるんだな。
私にとっては大きいけど、地球からしたら風が作った砂の模様とそう変わらない。

全てを飲み込みそうな砂漠の砂。
反対側のくぼみに落ちたら、生きて戻るのが大変そう。

砂漠に落ちる夕陽を見よう。
もう少しここで待とう。

周りには誰もいない。でもオアシスが見える。



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おいしい空気とおいしい水と、あとは生きる力。
それがあれば。

 
 
生きていくよってつぶやきながら、また泣いた。そしたら笑えてきた。